
本日は写真という分野でプロとアマチュアの違いについて少し触れていきます。
モデルコードでもカメラマン志望の方を面接させて頂くと上手く撮れている写真を持参するケースが多いです。
でも「写真の上手い下手とは何か?」実際の所、私の中でも答えはありません。
しかし、明確に感じていることはカメラ性能や機材の有無ではないことはハッキリしています。
例えば何かしらのモデル撮影会で撮った写真を持参して、「自分の作品」だという・・
これでは写真の良し悪しの判断はできても撮影者のセンスや意図を判断することはできません。
撮影会の主催者が用意した場所やモデルで撮影者が複数人で「集団行動する」状況でポートレートを撮る。
これはあくまでも趣味であり、カメラやレンズのテスト撮影の意味合いが濃くなります。
つまりそこに撮影者の意図が反映されにくい写真だということです。
どれだけ上手く撮れていたとしても、「何がしたかったのか」を読み解くことができません。
写真だけで第三者を説得するには撮影者の意図が分かる写真を用意することが大事です。
人物写真のジャンルでプロを目指すから、人物写真のブックやサンプルが必要なのではなく、静物写真でも構わないのです。
ジャンルに関係なく意志ある写真には「いい写真!」と感じる瞬間は必ずあります。
撮影を頼みたくなるカメラマンは技術云々よりも意志が伝わる写真を撮る人だと感じます。
プロを目指すのであれば、まずは色んなジャンルの写真を撮ってみることです。
多くのジャンルを少し深く撮影を重ねることで、「自分の好きなジャンルの写真」が見えてきます。
機材が無いとか、環境が恵まれていないとかネガティブな意見もあると思いますが、そうした悔しい思いは、プロのカメラマンであれば誰でも経験していることです。
プロへのステップとして始める事は「何が撮りたいか」ではなく、今の自分の状況で「何が撮れるか」をまずは考えて行動することです。
クライアントの指示の元で撮影を行なう商業カメラマンは、許される範囲の中で遊びを入れる。
こうした決められた環境や制約の中で「何が撮れるか?」という自問自答はどんな現場でも起こります。
高価なストロボやハイスペックなカメラがあるからプロになれる訳ではなく、需要に合わせて設備を整えただけの話です。
アマチュアとして活動している時期は「必ずこの機材がいる」という思い込みがあって、手持ちでの機材で何とかするという考え方が欠如しやすくなります。
「何が撮れるか?」を考えることは撮影能力の向上に繋がるのだと信じて行動するべきです。
プロとアマとの境界線は継続的に顧客がいるか、いないかの違いで、その点を除けば立場に差などありません。
写真をプロっぽく見せることを優先せずに、意志を明確にする撮影を重ねるように努力しましょう。